【連載第1回】デッドリフトで腰を痛めた体験とフォーム改善の第一歩

腰と向き合うデッドリフト改善記録

私は2年前、デッドリフトで腰を痛めました。
フォームが安定していなかったことに加え、立ち仕事での疲労や体の硬さもあり、中殿筋(お尻の横辺り)と仙骨の上あたり(腰の下部)に痛みを感じるようになりました。

重い重量を扱おうと思えば上げることはできました。
しかし、「痛みを抱えたまま持ち上げる怖さ」が常にあり、上げるときだけでなく下ろす動作でも痛みが出ることがありました。
これらの症状は「腰や股関節の硬さ」が根本的な原因ではないかと考えるようになったのです。

今回の記事では、私がどのように原因を考え、どのように改善に取り組んだのかをお話しします。


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痛みの原因を考察する

症状として出ていたこと

  • 中殿筋周辺の痛み
  • 仙骨の上あたりの痛み
  • デッドリフトでの「下ろす動作」での違和感
  • デッドリフトをやり始める時に特に痛く体が温まると少し痛みが和らぐ

自分なりの考察

腰だけでなく股関節まわりの硬さが影響し、仙骨や中殿筋に負担が集中していたのではないかと感じました。
特に中殿筋が固まっていたことで、デッドリフト動作でうまく支えられず、腰にストレスがかかっていたと考えています。


改善のために取り入れた工夫

中殿筋を動かして硬さを取る

そこで、まず「硬さを取ること」にフォーカスしました。

片手のダンベルデッドリフト(スーツケースデッドリフトとも呼ばれる種目)を取り入れると、中殿筋まわりの張りが軽減され、動作がスムーズになってきました。

一般的にこの種目は中殿筋を直接狙ったエクササイズではありません。しかし、片手でウエイトを持つことで体が横に傾こうとするのを防ぐ必要があり、そのとき骨盤を安定させる役割を持つ中殿筋が自然と強く働きます。さらに、その状態でヒップヒンジ動作を行うことで、大臀筋やハムストリングスと連動しながら中殿筋も動員されます。

これによって「中殿筋を使ったヒップヒンジ動作」が実現でき、今までうまく使えていなかった中殿筋が活性化されたのではないかと考えています。さらに、軽い重量でのスクワットやデッドリフトを10〜20回のハイレップで行うことも取り入れました。
これは血流を促し、股関節まわりの硬さを和らげるのに効果的でした。実際、これらのトレーニングを続けることで中殿筋の硬さが和らぎ、結果として仙骨まわりの違和感も少しずつ軽減していきました。

フォームの見直し

硬さを改善したタイミングで、改めてフォームを見直しました。
意識したのは以下の点です。

  • 腹圧をお腹の前後左右に均等にかける
  • 胸を軽く張ってバーを身体に引き寄せる
  • 腰から上がらないよう「足で押す感覚」を優先する

このフォーム改善によって、腰に頼らず全身で引き上げる感覚がつかめるようになりました。

フォーム改善は段階的に細かくチェックしました。具体的な方法については次回以降で詳しく紹介します。


重量設定の工夫

腰に不安を抱えたまま無理に重量を追うのは危険だと考え、重量設定も見直しました。

  • 軽めの日 → フォーム確認中心(MAXの60〜70%)
  • 挑戦する日 → 記録更新を狙う(MAXの80〜90%)

このメリハリをつけることで、痛みを悪化させずに成長を続けることができました。


成果と学び

  • スクワットは130kgまで到達
  • デッドリフトは100kgまで落ちましたが、少しずつ重量を戻せています

痛みの原因を「腰の弱さ」だけにせず、股関節や中殿筋の硬さも含めて考えたことが改善につながったと感じています。


まとめ

今回の経験から学んだのは、

  • 痛みの場所だけでなく「その周辺(中殿筋や股関節)」も原因になり得る
  • 硬さを取ることでフォーム改善もしやすくなる
  • 重量は「軽めの日」と「挑戦する日」を分けると安心して伸ばせる

腰を痛めたことでフォームを真剣に見直すきっかけができ、今では以前よりも安定して重量を扱えるようになりました。


次回予告

連載第2回では、**「デッドリフトフォーム改善記録:腰の負担を減らす『Starting Strength』流5ステップ」**について紹介します。
デッドリフトのフォームを見直すきっかけと、どのようにフォームを見直したかを解説する予定です。

【第四回】デッドリフト改善記録:補助種目の目的別活用法【張り・左右差の解消に効く種目】
補助種目は単なる「追加の筋トレ」ではなく、腰の張りや硬さを取る、体の左右差を補うなど、体全体のコンディションを整えるための重要なツールになります。 前回の記事(第3回の記事へ)で明らかになった**「左側の弱さ」や「フォームの乱れ」**を解決...
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