【第四回】デッドリフト改善記録:補助種目の目的別活用法【張り・左右差の解消に効く種目】

腰と向き合うデッドリフト改善記録

補助種目は単なる「追加の筋トレ」ではなく、腰の張りや硬さを取る、体の左右差を補うなど、体全体のコンディションを整えるための重要なツールになります。

前回の記事(第3回の記事へ)で明らかになった**「左側の弱さ」「フォームの乱れ」**を解決するためにも、補助種目の使い分けは非常に重要です。

ここでは、補助種目を体の状態を整える目的別に整理してご紹介します。


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メイン種目について

筋トレの基礎は「コンパウンド種目(多関節種目)」と呼ばれる、複数の筋肉や関節を同時に使うトレーニングです。代表的なのは「スクワット」「デッドリフト」「ベンチプレス」で、これらは総称してビッグスリーと呼ばれます。

これらの種目は全身の大きな筋肉を効率的に鍛えられるため、初心者から上級者まで取り組む価値があります。
一方で上級者の中には、すでに十分な筋肉量があり、特定の部位を狙って鍛える「アイソレーション種目」を中心に行う人もいます。ですが、多くの人にとってはビッグスリーのようなメイン種目をベースにし、その補助として他の種目を取り入れることが効果的です。

補助種目の目的別分類と効果

① 腰の張りや硬さを取るための種目

「腰が張って硬い」「背中にこわばりを感じる」という時に、血流を促して筋肉をリラックスさせることを目的に行います。

  • バックエクステンション(軽めで実施):軽い負荷で、背中全体を優しく動かし、血流を促進します。
  • RDL(軽め・ストレッチ重視):重りを持たず、ハムストリングス(太もも裏)が伸びている感覚を重視して行います。
  • スクワットやデッドリフトを軽重量×ハイレップで行う:メイン種目を軽い負荷で高回数行うことで、血流が促進され、腰周りのこわばりが楽になります。

② 左右差をなくすための補強種目

片脚ずつ負荷をかけ、弱い側の筋肉(中殿筋、体幹の安定筋)を集中して強化することで、左右のバランスを整えます。

  • サイドプランク:体が横に傾くのを我慢する力を強化し、体幹の左右の安定性を高めます。
  • 片脚RDL(シングルレッグ):片足でバランスを取りながら行うことで、股関節周りの安定性弱い側の筋力を効果的に鍛えます。
  • ブルガリアンスクワット:片脚ごとに深くしゃがみ込むことで、左右の脚の筋力差を意識的に調整するのに非常に有効です。

③ 腰のケアと補強を両立する種目

「腰の張りを和らげたいけれど、弱い部分も同時に補強したい」という、二重の効果が期待できる種目です。

  • 片脚ヒップリフト:お尻の筋肉(大臀筋)を片側ずつ使って持ち上げるため、血流を促しつつ、左右差を意識したお尻の強化ができます。
  • スーツケースデッドリフト:片手で重りを持つことで、体が横に傾くのを防ぐ体幹の側面を強く鍛えながら、デッドリフトの動作で腰周りの動きをスムーズにします。

補助種目の「本質的な役割」とは?

補助種目は、単なる筋肉の追加刺激ではなく、「メイン種目の質を高めるための土台づくり」とも言えます。目的別に分類するだけでなく、以下のような視点で捉えると、より効果的に活用できます。

フォームの習得・修正

メイン種目の動作を分解して練習することで、フォームの安定性が向上します。
例:ゴブレットスクワットはスクワットのボトムポジションの感覚を掴むのに最適です。

怪我予防・関節の安定性向上

インナーマッスルや安定筋を鍛えることで、関節の保護につながります。特に体幹や股関節周りの補助種目は、腰痛予防にも効果的です。

筋持久力や神経系の強化

高回数・低負荷の補助種目は、筋持久力を高めるだけでなく、神経系の適応を促し、メイン種目での出力向上にも貢献します。

可動域の拡張と動作の滑らかさ

ストレッチを意識した補助種目は、関節の可動域を広げ、動作のスムーズさを引き出します。
例:RDLやディープランジ。

補助種目は「自分の課題を映す鏡」

補助種目は“診断ツール”としても非常に有効です。

  • 片脚RDLでバランスが取れない → 股関節の安定性不足の可能性。
  • サイドプランクで腰が落ちる → 体幹の左右差が存在するサイン。
  • ブルガリアンスクワットで左右差を強く感じる → 片脚の筋力や安定性が弱い。

私自身もスーツケースデッドリフトを行うことで、左右差があることに気づき、スクワットやデッドリフトのフォームに影響していたと実感しました。

その日の調子で最適なバランスを見つける

補助種目は「全部やる」必要はありません。トレーニング前にご自身の体の状態をチェックし、調子や目的に合わせてバランスよく取り入れることが、無理なく継続する秘訣です。

  • 腰が張っている日①の種目を中心に、ゆっくりと体をほぐす。
  • 左右差が気になる日②の種目を中心に、弱い側を意識して行う。
  • 迷ったら③の種目で、張り取りと補強を同時に行う。

まとめ

補助種目の役割は、**「自分がどう感じたか」**によって変わります。ブルガリアンスクワットが左右差改善に効く人もいれば、スーツケースデッドリフトが張り取りに効く人もいます。

大切なのは、「その日の自分にとって何が一番必要かを選ぶこと」。これを意識すると、デッドリフトだけでなく体全体の動きがスムーズになり、怪我のリスクも減らせます。

👉 次回は、これらの補助種目を実際にトレーニングメニューにどのように組み込んでいるか、具体的な頻度やセット数を解説していきます。

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