「筋トレを続けているのに体が硬いまま…」
「スクワットが深くしゃがめない」
「可動域が狭くてフォームが安定しない」
こんな悩みを抱えていませんか?
「筋トレをすると体が硬くなる」という話を耳にすることがありますが、実はそれは誤解です。
本当に問題なのは、単なる柔軟性不足ではなく “モビリティ(可動性)”の欠如なの です。
この記事では、筋肉をより成長させたい人や怪我が多い人が、なぜ「柔軟性」だけでなく「モビリティ」を重視すべきなのか、科学的かつ実践的に解説します。
読み終える頃には、あなたの日々のトレーニング効果が“劇的に変わる”モビリティの本質と改善方法が理解できるはずです。
柔軟性とモビリティの違いとは?
まず押さえておきたいのは、「柔軟性」と「モビリティ」は似ているようで全くの別物だということです。
柔軟性(Flexibility)とは
柔軟性とは、筋肉がどれだけ伸ばされるか(受動的な能力) のことです。
- 例:誰かに背中を押してもらって前屈をする
- 自分で力を使わなくても“外からの力で伸びる”
つまり、「筋が伸びる余力(柔らかさ)」があるかどうかを示すのが柔軟性です。
モビリティ(Mobility)とは
モビリティとは、自分の意思で関節をスムーズに動かし、その動きをコントロールできる能力(能動的) のことです。
- 例:誰の手も借りずに、自力で脚を高く上げてキープできる
- 動かす力(筋力)+ 動きのコントロール(神経系)が必要
柔軟性が“受動的な長さ”なら、モビリティは“能動的に使える可動域”です。
💡 ここが重要! あなたが筋トレで求めているのは、「押されれば曲がる体」ではありません。 本当に必要なのは、重りを持った状態で、自由にコントロールできる可動域=モビリティです。
「自由に動かせる体は、痛みや緊張がなく、しなやかで強い」 まさにこれが、筋トレにおけるモビリティの本質です。
柔軟性、モビリティ改善にフォームローラーは有効です。筋トレ後などにフォームローラーで筋膜リリースして筋肉の緊張をほぐしましょう。→amazonでフォームローラーを見る
筋トレ効果が爆上がりする!モビリティが高い3つのメリット
1. 筋肥大効果が最大化する
筋肉は、可動域(ROM)が大きいほど強い刺激が入りやすいという特徴があります。 代表例はスクワットです。
❌ モビリティが低い(浅いスクワット)
- 大腿四頭筋・臀筋が十分に伸びない
- 結果:筋肥大のシグナルが弱くなる
⭕️ モビリティが高い(フルレンジスクワット)
- 筋肉が最大まで引き伸ばされる(ストレッチポジション)
- 結果:伸張性の刺激が強く入り、筋肥大効率が最大化する
つまり、モビリティが低い=伸ばしたくても伸ばせない=筋肥大の機会損失 をしているのと同じなのです。
2. 正しいフォームが身につき、高重量に挑戦できる
筋トレで狙った筋肉に効かせたいなら、フォームが最重要です。
しかしモビリティが低いと、身体が勝手に楽な姿勢を取ろうとします。
- スクワットで骨盤が後傾し、腰が丸まる(バットウィンク)
- 肩が回らず、ベンチプレスのバーが胸まで下ろせない
- デッドリフトで背中が曲がる
これらは代償動作(フォームの崩れ)と呼ばれ、重量が伸びないだけでなく、怪我の直接的な原因になります。 モビリティが高い人は関節が滑らかに動くため、「狙った筋肉」だけを使ってウエイトを挙げることができ、結果的に重量も伸びていきます。
3. 怪我が減り、コンディションが安定する
関節が正しい位置(アライメント)で動けば、関節や腱への負担は最小限に抑えられます。
- 肩のインピンジメント(詰まり)が出にくい
- 腰の不調が起きにくい
- トレーニングの翌日も動きが軽い
特に、慢性的な腰・肩・股関節の痛みを抱えているトレーニーほど、モビリティトレーニングを取り入れる恩恵は大きいです。
私もモビリティーが低くデッドリフトで怪我をしました。デッドリフトで怪我をしてから回復するまでを連載記事にしています興味のある方は読んでください→記事
【実践編】筋トレとモビリティを両立させる方法
では、具体的にどうすればいいのでしょうか? ポイントは「固める」と「動かす」の使い分けです。
■「安定」と「可動」の役割分担
「全身が柔らかければ良い」わけではありません。筋トレで高重量を扱うには、以下の組み合わせが必要です。
- スタビリティ(安定性): 体幹(コア)など、固めて動かないようにする部分
- モビリティ(可動性): 股関節・肩関節など、大きく動かす部分
この役割分担ができると、フォームが劇的に安定します。
■ 筋トレ前におすすめのモビリティワーク
トレーニング前のウォーミングアップとして、以下の種目を取り入れましょう。静的なストレッチではなく、動きの中で関節を温めるのがポイントです。
【下半身:スクワット・デッドリフトの前に】
- ヒップサークル(Hip Circle)→動画
- 四つん這いで片膝を持ち上げ、股関節から大きく円を描くように回す。
- 効果:股関節の動きを良くし、深くしゃがみやすくする。
- 90/90ヒップモビリティ(90/90 Hip Stretch)→動画
- 床に座り、両膝を90度に曲げて前後に倒す動きを繰り返す。
- 効果:股関節の内旋・外旋を強化し、下半身の詰まりを取る。
- アンクルモビリティドリル(Ankle Mobility Drill)→動画
- 片膝立ちになり、踵を床につけたまま膝を前に突き出す。
- 効果:足首が硬くてしゃがめない人に最適。
【上半身:ベンチプレス・ショルダープレスの前に】
- キャット&カウ(Cat & Cow)→動画
- 四つん這いで、背骨を丸めたり反らしたりする。
- 効果:胸椎(背骨の上部)の動きを出し、胸を張りやすくする。
- スカプラローテーション(Scapula Rotation)→動画1、動画2
- 腕を伸ばしたまま、肩甲骨だけを寄せたり離したり、回したりする。
- 効果:肩の安定性を高め、プレスの土台を作る。
動画1で使われているようなポールがあると色々なストレッチに応用できますね。→amazonでヨガスティックを見る
■ 正しいフォームの筋トレこそ「最強のモビリティトレ」
実は、特別な体操をしなくても、正しいフォームで大きく動く筋トレ自体が最高のモビリティ向上法になります。
- 深くしゃがむディープスクワット
- 可動域いっぱいのフルレンジ・ベンチプレス
- ハムストリングを最大まで伸ばすルーマニアンデッドリフト
重りを持った状態で「筋肉を伸ばしながら耐える」動作が、実践で使える可動域=モビリティを最も効率よく高めてくれます。
オーバーヘッドスクワットをやった事はありますか?モビリティが高くないと出来ません。オーバーヘッドスクワットは自分のモビリティの高さを測定するのに有効です。記事にして詳しく解説しています興味のある方は読んでください。→記事
■ まとめ
「体が硬いから筋トレに向いていない」——これは完全な誤解です。
むしろ、体が硬い人こそ筋トレを通じて「正しい身体の使い方(モビリティ)」を学ぶ必要があります。
- フレキシビリティ(柔軟性): 筋が伸ばされる受動的な能力
- モビリティ(可動性): 自分で動きをコントロールできる能力
- スタビリティ(安定性): 体幹を固めて身体を安定させる能力
この3つを組み合わせることで、あなたの身体は「思い通りに動かせるしなやかで強い体」へと変わります。今日からウォームアップにモビリティワークを取り入れ、もっと自由に動ける体を手に入れましょう。

コメント