なぜ腹筋を鍛えても姿勢は良くならないのか?反り腰や猫背を改善するにはどうすればよいのか?
「姿勢を良くしたいなら腹筋を鍛えましょう」
これは整骨院やトレーナーがよく言う言葉ですが、
実際には 腹筋を鍛えるだけでは姿勢は安定しません。
私自身、筋トレ歴も長く腹筋そのものは弱くないはずなのに、
- 長時間立つと腰が痛い
- 反り腰が治らない
- スクワットで重心が前に流れる
といった問題を抱えていました。
しかし、
フロントスクワット、スーツケースデッドリフト、オーバーヘッドスクワットなど
“姿勢が崩れると成立しない種目” を取り入れてから体が変わり始めました。
そこで強く感じたのは、
姿勢改善は「筋肉の強さ」より
“体幹をどう使うかを学習すること” が重要
ということです。
姿勢は“筋力”ではなく“コントロール能力”で決まる
近年の運動学やリハビリの分野では、
姿勢は Postural Strength(筋力) ではなく
Postural Control(姿勢制御能力) と考えられています。
つまり、
✔ 腹筋が強いか
ではなく
✔ 必要な時に
✔ 必要な強さで
✔ 必要な筋肉が
✔ 協調して働けるか
これが姿勢の本質です。
ヨガやピラティス、そしてアスリートのトレーニングでは
この「姿勢制御(コントロール)」を非常に重視します。
しかし、一般的によく言われるのは
「反り腰 → 腹筋が弱い → 腹筋を鍛えましょう」
という “強さ”だけの話 に止まってしまうことが多いのが現実です。
腹筋の『筋力』を否定するわけではありません。
ただ、『筋肉という材料』があっても、
『使いこなす脳のプログラム』が古いままでは、
建物(姿勢)はガタガタのままなのです
📌姿勢をよくする筋トレを解説しています。→記事はこちらから
なぜ反り腰・猫背は「腹筋運動」で治らないのか?原因は筋力ではなく体幹のスイッチ
多くの反り腰の人は
実は腹筋が弱いわけではありません。
問題は、
- 腹筋があるのに
- 力も出せるのに
- 動作中に参加していない
ということです。
✔ 立つ
✔ 歩く
✔ しゃがむ
✔ 物を持つ
こうした“現実の動き”の中で腹筋がサボり、
腰で姿勢を支えてしまうクセ がついている。
だから、
腹筋トレーニングはできる
でも日常生活では使えない
という矛盾が起こります。
インナーマッスルの力を、日常生活で眠らせないために
最近は
- 腹横筋
- 横隔膜
- 骨盤底筋
など、いわゆる インナーマッスルを鍛えるエクササイズ がよく紹介されています。
もちろん否定はしません。
理論的にも意味があり、理学療法の現場でも重要です。
ただし問題は、
- 意識が必要
- 難易度が高い
- 代償動作が起こりやすい
- 現実の動きに結びつきにくい
という点です。
ベッドの上で
「お腹を軽く膨らませて…インナーを意識して…」
と練習しても、
現実の動作はそんなに丁寧ではありません。
✔ 荷物を持つ
✔ 階段を降りる
✔ 重いものを持ち上げる
✔ スクワットで踏ん張る
こうした 瞬間的で複雑な動き の中で自然に働いてくれないと意味がないのです。
腹筋の「強さ」を、「姿勢の安定」へと変換するステップが必要だったのです。
姿勢が崩れたら成立しない運動が“最強の学習環境”
ここが私が強く実感した部分であり、
スポーツ科学・運動学とも一致する点です。
身体は、
「必要のない動き」より
「必要だから使わないと成立しない動き」 を優先して学習します。
だから、
❌ インナーを“意識して鍛える”より
⭕ 崩れた姿勢では成立しない運動をする
ほうが圧倒的に効率が良いのです。
インナーマッスルの練習は『静止した状態での基礎練習(音階練習)』のようなもの。
対して、今回紹介する3種目は『実際の演奏(曲を弾くこと=歩く、しゃがむなどの日常動作)』です。
その代表が、
- フロントスクワット
- スーツケースデッドリフト
- オーバーヘッドスクワット
です。
これらの種目は
✔ 背中が丸まると潰れる
✔ 体幹が抜けると耐えられない
✔ 骨盤がズレると動けない
つまり、
姿勢が崩れる=失敗する種目
だからこそ、
腹筋・背筋・骨盤・胸椎が “協調して働く”ことを体が強制的に学習する のです。
これはただの筋トレではなく、
「姿勢制御トレーニング」
と言って良い内容です。
従来の筋トレと今回紹介する3種の違いを表にしました。
もちろん今回紹介する3種も筋肉を強く大きくする効果はあります。
違うのはこの3種は重い重量で行わなくても姿勢制御の効果がある事です。
| 項目 | 従来の筋トレ(腹筋など) | 今回の3種目(姿勢制御) |
| 目的 | 筋肉を大きく・強くする | 筋肉同士の連携(協調)を覚える |
| 意識 | 特定の筋肉(腹筋)を追い込む | 姿勢が崩れないように全身を制御する |
| 結果 | 寝た状態では強い | 歩く・立つなど日常の姿勢が良くなる |
私自身の体の変化
60代という年齢もあり、一時は『もう腰痛とは一生付き合っていくしかない』と諦めていました。
しかし、反り腰を改善するための
スーツケースデッドリフト・フロントスクワット・オーバーヘッドスクワット
を取り入れたことで、マッサージに通う必要がなくなったのです。
- 反り腰が改善
- 長時間立っても腰が痛くなりにくい
- 姿勢が安定
- スクワットのフォームが安定
- 結果として重量も伸びた
という変化を実感しました。
特に大きかったのは、
「腹筋を鍛えた」感覚ではなく
「腹筋が自然に働く体に変わった」
という実感です。
ヨガ・ピラティス・海外のトレーニング文化との一致
ヨガやピラティスは昔から
- 体幹の協調
- 呼吸と姿勢の連動
- 動きながら姿勢を保つ
という考え方を大切にしています。
また、
私がよく参考にする Squat University など海外のトレーニング文化 でも、
✔ ただ鍛えるのではなく
✔ 体の使い方を学習させる
という考え方が主流です。
一方、日本ではまだ
「鍛える=強くする=良くなる」
という直線的な考え方が強く、
このあたりが十分に一般化していないと感じています。
実際にどう改善していくのか?
私は、
“姿勢が崩れると成立しない種目”を段階的に練習する
ことが最も現実的で、安全で、効果的だと感じました。
【姿勢改善の3フェーズ】
- Phase 1:準備(ストレッチ・呼吸)
- 凝り固まった体をほぐし、インナーマッスルのスイッチを入れる。
通常の柔軟運動では取りにくい凝り固まった深層の筋肉をほぐすには、
フォームローラーやマッサージガンが効果的です。
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- Phase 2:学習(動作教育) ★今回のメイン
- SDL / FSQ / OHS を通じて、動いても崩れない「体幹の使い方」を脳に覚えさせる。
- Phase 3:実践(日常生活)
- 無意識でも、歩く・立つ姿勢が若々しく安定し続ける。
そのためにまとめているのがこちらです👇
📌 スーツケースデッドリフト(SDL)で骨盤を安定させる
📌 フロントスクワット(FSQ)で体幹と胸椎を整える
📌 オーバーヘッドスクワット(OHS)で全身の協調を高める
(それぞれ詳しいやり方は別記事で解説しています上記をクリック)
まとめ:姿勢は“鍛える”ものではなく“学習する”もの
この『体幹の学習』は、現代病とも言える
デスクワークによる猫背や、スマホの見過ぎによるストレートネック
に悩む方にも共通する解決策です。
重いものを持つ時だけでなく、椅子に座っている時、歩いている時の
『無意識の姿勢』が変わるからです。
- 姿勢は筋力だけの問題ではない
- 反り腰は「腹筋が弱い」より「腹筋が使われていない」問題
- インナーだけ鍛えても、実生活で使えなければ意味がない
- 姿勢が崩れると成立しない運動が最強の学習環境
- 体は正しい“姿勢の使い方”を覚え直せる
そして何より、
60代の私でも変わった
つまり、まだまだ体は変われます。
あなたも
“動いても崩れない姿勢” を一緒に作っていきましょう。
📌 姿勢改善のための実践トレーニングはこちら
→ スーツケースデッドリフト解説
→ フロントスクワット解説
→ オーバーヘッドスクワット解説

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