一度は腹筋を割ってカッコいい体になりたい。腹筋を頑張ってやっているのに腹筋が割れない。どうやったら腹筋が割れるのだろうかと悩まれている方も多いようです。実は腹筋は誰でも割れれています。見えていないだけなのです。なぜ見えないのか、腹筋の上に脂肪がついているので見えないのです。そんなこと分かっていると思われる方も多いでしょう。では、腹筋をする事は脂肪を落とすのに効率が良いでしょうか。腹筋をすることは腹筋の6パックの山を大きくするのには効果的ですが、脂肪を落とすには効率が悪いのです。
この記事では、努力したけれど、腹筋が割れないという人にどうやれば腹筋が割れるのかを解説します。
食事7割、運動3割
「腹筋はキッチンで作られる」という言葉をご存じでしょうか。アーノルド・シュワルツェネッガーの言葉だそうです。
あのアーノルドが腹筋を作るのは筋トレではなく食事だと言っているのですから説得力があります。
体脂肪を落として絞れた身体を作るには、食事7割、運動3割とも言われます。
最も優先するのは食事の管理だという事です。
筋トレや有酸素運動といった運動です。
食事で大切なのは、摂取カロリーです。
”消費カロリー>摂取カロリー”となっていれば体重が落ちて体は絞れてゆきます。
”消費カロリー<摂取カロリー”となると体重は増えてゆきます。
無理な食事制限はしない
「1か月に10kg落とした」、「〇〇だけを食べて体重を落とした」、「3日間絶食して体重を落とした」のような話を聞いたことがあると思いますが、こういうやり方はお勧めしません。
このようなやり方は長続きしません。体を壊してしまいます。
極端な食事制限をして急激に体重を落とすと体が必要とする栄養が十分に取れていない可能性が高く、筋肉も落ちてしまうのです。筋肉が落ちると代謝が悪くなりリバウンドしやすい体になってしまいます。
目指したいのは筋肉を落とさず脂肪を落とすことです。
体重を落とすためには”消費カロリー>摂取カロリー”としたいので消費カロリーを増やすか、摂取カロリーを減らす必要があります。
どのくらいのペースで落とすのが良いのかというと、1か月に体重の5%以内のペースで体重を落とすように計画を立てます。体重が60kgなら3kg以内、50kgなら2.5kg以内となります。
このくらいのペースでゆっくりと落としてゆきます。
食事と運動どちらが効率的に体重を減らせるのか
1kgの脂肪を落とすのには7000kcalの消費が必要です。7000kcal÷30日≒230kcalで1日に約230kcalです。
つまり「消費カロリー」-「摂取カロリー」=230kcalを1か月間行えば体重が1kg落とせます。2kg落とそうとすると約500kcalです。
食事で摂取カロリーを減らそうとすると、
ご飯であれば、小さめのお茶碗1杯150gで234kcalになります。小さめのお茶碗2杯分くらいを減らせば約500kcal減らせる計算になります。
もし、お菓子をよく食べるのであれば、やめるだけでかなりのカロリー摂取を抑えられます。
ハーゲンダッツのMini Cupバニラは244kcal、ミスタードーナッツのチョコファッションは1個で330kcal、カルビーのポテトチップス薄塩味1袋336kcal、たけのこの里 1箱は383kcalです。
これにコカ・コーラ350mlを飲むとプラス161kcalです。
どうです、お菓子を控える気になりましたか?毎日500kcal減らせば1か月で2kg落とせるのですから。
運動で500kcalを消費しようとすると
60kgの人がジョギングだと8.3km(約60分)走って約500kcal、縄跳びでは50分間跳んで約500kcalです。水泳でクロールだと30分くらいです。
運動で消費するのは結構大変なんです。
食事と運動を合わせばより効果的に落とせますが、運動だけで落とすのは結構大変という事がお分かりいただけましたでしょうか。
消費カロリーを知る
厚生労働省がまとめた体重1kg当たりの一日の基礎代謝推定
性別 | 男性 | 女性 |
年齢(歳) | 基礎代謝基準値 (kcal/kg体重/日) | 基礎代謝基準値 (kcal/kg体重/日) |
18〜29 | 23.7 | 22.1 |
30〜49 | 22.5 | 21.9 |
50〜64 | 21.8 | 20.7 |
65〜74 | 21.6 | 20.7 |
75 以上 | 21.5 | 20.7 |
先ずは、上の表を使って基礎代謝を計算します。
基礎代謝基準値×体重kgです。例えば、35歳、男性、体重が65kgであれば、
22.5×65=1462.5kcalが基礎代謝となります。
厚生労働省がまとめた身体活動レベル
身体活動レベル | 低い(Ⅰ) | ふつう(Ⅱ) | 高い(Ⅲ) |
1.50 (1.40~1.60) | 1.75 (1.60~1.90) | 2.00 (1.90~2.20) | |
日常生活の内容 | 生活の大部分が座位 で、静的な活動が中 心の場合 | 座位中心の仕事だが、職場内 での移動や立位での作業・接 客等、通勤・買い物での歩 行、家事、軽いスポーツ、の いずれかを含む場合 | 移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合 |
続いて、基礎代謝に身体活動レベルを掛けて一日の消費カロリーを推定します。
(基礎代謝)×(身体活動レベル)=一日の消費カロリー
例えば、男性 35歳 体重65kg の基礎代謝が1462.5kcalでしたので、
身体活動レベルがふつう(Ⅱ)の場合は、
1462.5kcal×1.75=2559kcal/日となります。2559kcalが一日の消費カロリーです。
消費カロリー>摂取カロリーにすれば体重を落とすことが出来ます。
摂取カロリーを知る
本気で体重を落としたいのであれば、摂取カロリーは計算してください。最初は大変かもしれませんが食べたものをすべて記録してカロリー計算をします。
体重をどれだけ落とすかで摂取カロリーを決めます。上で計算した消費カロリーから摂取カロリーを決めます。どれだけ体重を落とすかで消費カロリーから落としたいカロリーを引いたカロリーを摂取することになります。体重を落とすのは1か月に体重の5%以内にしたいので体重65kgであれば最大で約3kg減となります。
脂肪1gを落とすのに必要なカロリーが7kcalです。1kgで7000kcalとなります。7000÷30日≒230Kcal 1か月で1kg体重落とすのに一日に230kcal消費カロリーを多くする必要があるという事です。3kg落とすためには、3kg×230kcal=690kcalとなります。
「消費カロリー」-「落としたい脂肪のカロリー」=「摂取カロリー」
男性 35歳 体重65kg 身体活動レベルふつう(Ⅱ)のモデルケースでは
消費カロリーが2559kcalなので体重を3kg落とすには2559kcal-690kcal=1869kcalとなります。
この場合1日の摂取カロリーは1869kcalとなります。
わかりやすく「消費カロリー」-500kcal=「摂取カロリー」位にするのがおススメです。
PFCバランスを考える
マクロバランスという言葉を知ってますか。マクロバランスとはPFCのバランスのことです。
Pはprotein(たんぱく質)、Fはfat(脂質)、Cはcarbohydrate(炭水化物)です。
肉・魚・大豆・卵・牛乳・
バター・オイル・肉の脂身・魚の油・ナッツ類
ご飯・パン・麺類・イモ類・砂糖
基本は、たんぱく質、脂質、炭水化物をバランスとる食事を心がける事です。サラダばかりを食べるのは良くないのです。
サラダはカロリーは少ないかもしれませんが、体を維持するために必要な栄養素が不足します。
ではどれくらいの割合の食事をとればよいかというと、一般的に推奨されるPFCバランスは総摂取カロリーの内たんぱく質で13~20%、脂質で20~30%、炭水化物で50~65%です。たんぱく質:脂質:炭水化物が2:2:6の割合です。
ただ、腹筋を割りたいと思っている人はもちろん筋トレをして筋肉を付けてダイエットをしますからたんぱく質:脂質:炭水化物が3:2:5の割合の食事でたんぱく質を多く取るようにしましょう。
たんぱく質は身体の代謝を上げてくれる働きがあります。食事誘発性熱産生といって食事をした後に体の体温を上げるために一部のエネルギーが消費されますその割合は、たんぱく質のみを摂取した場合、摂取したエネルギーの約30%、糖質のみの場合は6%、脂質のみの場合は4%となっています。たんぱく質をしっかりとって筋肉を付けると基礎代謝が増えるだけでなく食事誘発性熱産生によっても摂取したエネルギーを消費します。
たんぱく質、脂質、炭水化物のカロリーですが、たんぱく質は1g→4kcal、炭水化物1g→4kcal、脂質1g→9kcalです。
一日の総摂取カロリーを2000kcalとするとたんぱく質が400kcal、脂質400kcal、炭水化物1200kcal位になります、グラムにした場合たんぱく質100g、脂質45g、炭水化物300gとなります。
ジムにいるマッチョ達でカロリーやPFCを全く計算したことがない人に出会ったことがありません。そのくらい、カロリーだけでなくPFCバランスも気にして体を作っています。マッチョ達はしっかり筋肉を付けるためにもっと多くたんぱく質を取っています。たんぱく質を体重kgの数値の2倍g(体重60kgなら120g)以上、脂質は総摂取カロリーの25~30%、残りのカロリーを炭水化物からとるという具合です。
プロテインを飲んでいるのは食事からだけでたんぱく質を取ろうとすると簡単に体重kgの2倍gも取れないという理由と、たんぱく質の多い食材は脂質も一緒に多くとることになるためです。
最近、低糖質とか高たんぱく質の商品が店頭には多く並んでいますよね。ダイエットに良さそうと食べている人は多いかと思います。しかし、どれだけ食べたかカロリー摂取量やPFCバランスを計算して食べている人は少ないと思われます。
腹筋を本気で割りたいのであれば「摂取カロリー」「PFCバランス」の計算、「体重の測定」はやってください。私の経験からもカロリーだけでなくPFCバランスを考えた食事にすることで身体が変化した実感があります。
一気にハードルが高くなったと思われるかもしれませんが、やってみてください。やっていると慣れてきて大変でなくなってきます。また、アプリを利用することで「摂取カロリー」「PFCバランス」は簡単に計算できるのでご安心ください。
PFCバランスやカロリーを計算してくれる無料アプリは以下のようなものがありますので自分に合ったものを使ってください。
あすけん(android apple)
カロミル(android apple)
My Fitness Pal(android apple)
外食が続いたりするとどうしてもカロリーがオーバーしたり脂質を取りすぎるという事があります。
毎日、カロリーやPFCバランスを守ることは難しいので1週間単位で考えて前日食べすぎたら翌日はご飯を減らすなどして調整すればOKです。
私の経験からのアドバイス
私もそうでしたが、PFCバランスを計算すると、脂質を多く取りすぎていて、たんぱく質が足りていない事に気が付く人が多いと思います。
私なりに考えた結果。朝食をオートミールとプロテインにして低脂質でたんぱく質を多くとれるようにしました。昼食はお弁当を持って行ってましたので鶏むね肉で作った鶏ハムをお弁当に詰めるようにしました。昼食も低脂質で高タンパク質になるようにしました。朝食と昼食を毎回同じものを食べるようにしました。このようにする事で一日の脂質が抑えられたんぱく質を多くとれるようになりました。また、同じメニューなのでカロリーやPFCの計算も楽になりました。
朝食と昼食で低脂質、高たんぱく質な食事をしていたので夕食は脂っこい物を取らない限りおかずは特に気にしない食べて、ご飯を少し減らすだけでカロリーもPFCバランスも目標値に入るようになりました。脂質がとにかく多くなりがちなのでサラダにもドレッシングやマヨネーズはつけないで食べます。
それ以外にも朝に牛乳とヨーグルトも食べていたのですが、牛乳は低脂肪乳に、ヨーグルトもヨーグルトメーカーを買って低脂肪乳で作るようになりました。脂質も大切な栄養素なんですが、多くとりすぎてしまう事と悪い脂質(飽和脂肪酸など)を取りたくないという事でそのようにしました。
慣れてくると大変ではないのですが、最初は大変かもしれません。
もっと簡単に食事の管理をしたいという方にはナッシュや筋肉食堂といった冷凍の宅配弁当があります。種類も多く用意されていますので毎日違うメニューを食べることが出来ます。筋トレ飯の代表的な鶏の胸肉とブロッコリーでは嫌だという人には何と言ってもおいしいのでお勧めです。おいしくて、カロリーもPFCのバランスも計算されていて値段もそんなに高くないので試しに一度使てみてはいかがでしょうか。
まとめ
腹筋を割るためには腹筋運動をしても割れない。
腹筋はキッチンで作られる。食事7割、運動3割と食事を管理しないと腹筋を割ることはできません。
極端な減量はしない、1か月に体重の5%以内で落とす。
運動だけで消費カロリー>摂取カロリーとするのは大変である。
自分の消費カロリーを計算して摂取カロリーをどれだけにすればよいか計算する。
PFCのバランスを3:2:5のバランスにする。
摂取カロリー、PFCバランスはアプリを使うと管理しやすい。
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